2013-01-01から1年間の記事一覧

誰が審査できる?(2013826・水戸黄門か)

もっぱらオペラと歌舞伎を優先的に録画して、流し聞きをしている。 NYのメトのは日本人むけに幕間に歌手やスタッフのインタビューを、舞台裏の準備中の様子を背景にして、詳しく解説してくれてうれしい(そこだけはしっかり観ている)。ウイーンのオペラ劇場…

もう少し(2013825・廃国?)

「廃車」には馴染んでいるが、「廃船」はさすがに島らしく、継ぐ人のいなくなった状況の一端を物語っている。それは薄々知っているのだが、ちょっとショックだったのは、看板の新しさ、そしてパソコン文字を拡大していることだった。ついにここまで電子野郎…

かずら島(2013823・特別保護区の墓所)

かずら島は無人島で、大山隠岐国立公園内でも特別地区として保護されている。ここが散骨の島になった。年2回のみ上陸を許されて、散骨される。特別保護区だから船着き場も設置してはならないので、簡易なそれを引っ張っていく。島は10区画に分割されており1…

1万人(2013825・強きも弱きも)

地球から他の星に移住する時に限定1万人なら、無作為に選んだどこかの町の1万人をソックリ乗せていかないとうまくいかない、と聞いたことがある。 僕らは選良優先を想像するが、長い宇宙の旅では「あんな馬鹿はみたことない」とか「酒ばかり飲みくさって」と…

ついに(2013822・旅行カバン)

世界堂を出て、ブルックリン・カフェで昼酒のんで、通りを眺めると何か感じが違う。角の交番が「どうしちゃったの、オイ」だった。前の交番はお邪魔虫みたいにあたりを圧して座っているかに見えたのだが、今や正装しちゃって茶色の壁にチンマリとデザイン的…

こぼす(2013820・そうするしかなかった)

30代後半に継いだ家をこぼした。島では解体をこぼすという。無人の家は朽ちるのが速い。専門業者のいない村ではこぼすのは大仕事だ。人手をさがすのも謝礼金の用意も大ごとだった。だから帰る気がないなら今やっておけ、との忠告を受けいれざるを得なかった…

酔人会(2013819・仕上げの一杯)

小学館の元編集者で『日本国憲法』も作った島本脩二さんとは「酔人会」という男子4名による、酒呑んで話すだけの(それで充分なんだけど)時間をもっている。 いつも居酒屋だが、このところは島本さんのご自宅にお邪魔することが多くなった。ご自宅は多摩川…

精進(8013818・なるほどなあ)

精進料理の中心バッターの胡麻は、上京のたびに築地で多量に仕入れて島に送る。胡麻はヒイキの店の棚のいつもの場所に在る食品のひとつであって、数秒で手に入るのだ。 島で、うちの畑の胡麻を間引いて好きなだけ持って行って育ててみたら、という話にのった…

さすがだ(2013816・暑いから育つ)

うちでは必需品で、納豆とも合い、緑のアミ袋に入っていて、出すと案外に冴えない緑色だったりする購入時に油断ならない食品。オクラである。アフリカ原産だとは聞いていた。栽培時にも油断ならなかったのである。あまりの結果に人類の生みの親アフリカを拝…

暗闇(2013817・闇に消えていくか)

60年むかし。村の盆踊りは裸電球1灯の神社の境内で行われた。村一番のノドの、声のみによる盆唄がえんえんと続く。子どもらは洗濯したての白い服を着せてもらって、この夜だけは村を走り回ってもよかった。 踊り場では点でしかない電光と月あかりにボンヤリ…

頂門の一針とか?(2013815・敗戦記念日碑でもなく)

何ですかね、これは。うらみ重なる阿奴に一針を、ってか? たしかにそう見えてもしかたがないが、ぜんぜん違う。 住んだ築地も清洲橋も海そばだった。海といえば塩、鉄は潮風にあたると・・・ここらじゃあ、内陸側よりサビが速いか? あるときそう思った。僕…

面か線か(2013814・桜にかわって)

ネムノキが群生する道をいくと桜なきあとの桜という風情である。この木は至る所に勝手に生えるらしい。これほど群生するのだから強いに違いない。暮れるとともに葉が閉じる律儀な雑木だ。 隣に公の空き地がある。年に一度雑草を刈ってくれる。ネムノキの小さ…

悠然として(2013812・暮らしに合うか)

島にいても、生き方がゴネゴネと流れるテンポは街にいるのと変わらないはずだ。人間関係の濃密さは知れば知るほど深くなり、血縁社会のもつエネルギーが、地下水脈となって思わぬ所から湧いてくるのである。 山野で雲竹のCDを発見してうれしくなったついでに…

津軽(2013811・岩木お山)

成田雲竹と高橋竹山を知ったのは、白黒テレビ時代のNHKインタビュー番組でであった。1972年頃だろう。雲竹はすでに80をこえていた。なぜそれが分かるかといえば、感激して山野でLPを求め、夜中に無人の『アンアン』編集部に持ち込み、作業しながら聞き惚れて…

ボクの道(2013810・そして誰も通らない)

8月6日に「ボクの道」と書いた、その道である。枝葉が侵食するままになっている。行き止まりで無用では町の「草刈り予算」もつかないから、定期的に刈られることもない。完全に見捨てられた道なのである。 元は段々畑に通う細い道で、60年前には野いちごを摘…

島前神楽(201387・2畳が舞台)

神楽の正しい歴史は知らない。ともかく隠岐の神楽は禁止されてのち、プロの舞い手が少数となり、保存会によってやっと残されている状況らしい。音は太鼓と金属の鳴り物だけだからか、豪壮でリズムの刻み(というのか)がたたきつけるように強い。能登の鬼太…

マメにしとるかいな?(201386・80代8名)

僕が10歳まで育った村(多井)である。当時は100名ほどはいたと思うが、今は19名。町では「チベット」と呼ばれている。現在住んでいるのは役場も学校もある町の中心部で、多井の人が「あそこは都会だからうるさくていやだ」といっている地区だ。町全体では24…

天月(201384・天への道)

道路から玄関へ繋がる道ができた。天月(てんげつ)を敷き詰めてある。天月とはサザエのフタである。町ではサザエカレーを土産物として作っていて、大量のフタが使いようもないままに工場のそばに山積みになっているのをいただいてきたのである。踏むとキュ…

ふーん(201352・畑を借りて何種かの苗を植え込む計画6:50)

どうみても貧乏には見えないお宅だ。町にはこうした立派な家があちこちにある。ここの様式をまだ学習してないから解説はできないが、入母屋よりも切妻が多いように感じていて、あの古典的な率直さが町にも合ってるなあとしていたが、よく見ると入母屋だって…

ずっと生きていた(201351・西風が黄砂を運び煙る景色11:30)

島にいれば当たり前のようだから、自慢のためにここにのせるのでなく、底知れない命の強さに感銘を受けた話として。 蟹をいただいた。すべて生きている蟹だ。その前はイサキをいただいて、まな板に置いてウロコ取りをさがそうとして目を離した瞬間そいつが飛…

偏食注意(2013429・78歳の陶芸家ヨット人来宅4:00)

「ほんの数本植えたらこげに増えただけん、好きなだけとって」区長が案内してくれた杉林のそばにはフキが満載であった。ここのは太い。親指ほどもあるのが多い。この頃は油断なく携帯しているハサミでなるべく太いのを切るが、理由はない。というより分から…

ただ立っていた(2013428・隠岐の海小結昇進が新聞の一面でデカデカ17度)

小学3年3学期まで在籍した学校に行ってきた。さすがにそのころ既に大木であった桜は代替わりしてまだ青年期のようだった。「もう孫のもいるよ」そばで会った区長が教えてくれる。 廃校となったあとは特産高級梅干しの工場として半分は使われ、残りは資料館と…

厚かましい黃色(2013426・毎朝ノラ猫軍団が残飯整理に押し寄せる6:45)

「侵略」は言葉としては知っている。あまり愉快とはいえない状況に陥るらしいから侵されたくはないが、油断はできない。「環太平洋戦略的経済連携協定」との訳を省略しないで登場する毎に日本語で読ませてくれるだけでもっと皆の衆も理解を深めるであろうが…

家庭訪問(2013424・南東の風18:45)

入学式も滞りなく終了し、家庭訪問が始まる時期である。 そこで我がほうも最近発見したツル・エイリアンの家庭を訪問することにした。どうせロクでもない家庭だろうという予測はみごとにはずれ、小型のチューリップ状のやはり過剰と思われる繁殖力を誇る子花…

飛んで行け(2013423・南風8:40)

風の強いところだ。かつては向きと強弱によってその日の稼ぎを山にするか海にするかと考えたものらしい。今もそれは残っている。ここも車社会となり、肌で風を感じて動くことは減ったようにみえるが、それは過去と比較しての話で、今だって風に聞いて行動の…

昼寝葉(2013422・穏やかな9:40)

通行の予定が頓挫した道路が放置されてしまっていて、その道に出会ったトタンに「我が道にする」とまたもや天に宣言してメンドーを見始めた。まず問題は通行を邪魔する木枝を整理して散髪することである。よく見ると木々の多くはツルに覆われて落命の危機に…

言葉を越えて(2013420・魚はサシミにするのが一番いい。5:30)

↑都電を使って荒川区の商店街を歩いて出会ったこの建物の構造を目でおってみて、中味の部屋割りも想像するのだが、すぐにはわかりそうもなかった。そこで後で観察するつもりで撮ったが、今よくみても分からないのは同じだ。 現場で「何だろう」と一応は考え…

たんぽぽ(2013418・ハマチ1本500円・18:35)

ベストセラーである。1971年初版、1989年51刷というほどの本だ。それが本棚にある。だが読んではいない。装幀のせいで読む気がソガレタとか言うつもりはない。本棚にあっても読んでない本はほかにもあって、いちいち理由なんか考えないが、ともかく未読だ(…

花嫁来訪(2103417・波の高さ1メートル15:00)

60年前には結婚式は3日3晩も続き、夜中に舟やら畳1畳分の松竹梅の急ごしらえの盆栽やらが宴会中の座敷にワッショイと持ち込まれ、故意に当主を困らせることで祝意を表したという。僕は舟はしらないが盆栽は見て仰天した記憶がある。 そのころお向かいの家か…

海の色(2013416・湿度54パ9:10)

四方に空間がたっぷりある小屋みたいな家に住んだのは初めてである。風当たりが凄い、新鮮である。良いように言えば・・・。外壁とそこの下に放置してある何かの物体が壁に密着していると角が吹き溜まりとなって枯葉の山ができ、すぐに虫たちがゾロゾロと会…