海の色(2013416・湿度54パ9:10)

 四方に空間がたっぷりある小屋みたいな家に住んだのは初めてである。風当たりが凄い、新鮮である。良いように言えば・・・。外壁とそこの下に放置してある何かの物体が壁に密着していると角が吹き溜まりとなって枯葉の山ができ、すぐに虫たちがゾロゾロと会合を開き出す。油断がならないのである。生育しないものも、朽ちないものも無いというのは理屈ではなく現実である。その観察を始める気なら一瞬たりとも暇はないのである。名も無きような雑草が水気の多い場所で花を開くが2日ほどで消えてしまう。「しまった」と思うが、何が「しまった」のかは分からない。心のどこかに採取しようだの撮影しようだのと助平心があるのだろう。

 もう自分の私有物だと思ってしまっている海辺の道がある。今年になって何人の人が歩いたかというのが推測できるほど過疎な道である。そこから海の色も変わり始めているのが見える。育ち過ぎたような海藻が海面で寝ている。理想の山と海辺の関係がセットで残っている場所があるらしく、そこで出来る多種類の海藻を研究すべくオカベという会社が活動を始めているのは知っていたが、この会社は墨田区にあって、かつては朝の散歩域内であったのにウッカリと社屋をみてくるのを忘れていたのを思い出した。