飛んで行け(2013423・南風8:40)

 風の強いところだ。かつては向きと強弱によってその日の稼ぎを山にするか海にするかと考えたものらしい。今もそれは残っている。ここも車社会となり、肌で風を感じて動くことは減ったようにみえるが、それは過去と比較しての話で、今だって風に聞いて行動の如何を少しは決めているはずだ。また風は使うものではないかとも思うが、どう使うかは知らない。
 
 東京では隅田川の岸に20年間住まい川風を浴び、いまは海風を浴びる。川風は海風に比べるとすきま風のようだった。まだ庭に立ってるだけでは風向きがわからない。そこでまたイタズラして10本ばかり風見を作った。青竹に細い竹を差し旗をつけただけのものだ(制作時間1本10分)。イイカゲンなのは知っている。19本もあれば確度が高まるだろう。何故19本かといえば奇数にすればどちらかが勝つからだ。そう設計者は熟考し、デモクラシーの原則に沿って判断したのである。気がついたらおおかたは風に乗って何処かに飛んで行ってしまうだろうけどね。設置中にそばを通った生徒たちに「これ何だかわかるか」と聞いたら「ああ、風か。風なら父さんが雲みて教えてくれっけん」そうだろう、そうだろう。