誰が審査できる?(2013826・水戸黄門か)

 もっぱらオペラと歌舞伎を優先的に録画して、流し聞きをしている。
 NYのメトのは日本人むけに幕間に歌手やスタッフのインタビューを、舞台裏の準備中の様子を背景にして、詳しく解説してくれてうれしい(そこだけはしっかり観ている)。ウイーンのオペラ劇場の舞台を見学したことがあったが、奥行きと深さがともに50mあると聞いて仰天した。代々木のNHKホールに引っ越し公演したメトも全スタッフ800名だと聞いて、これも驚いたが。
 
 バイロイト音楽祭の『さまよえるオランダ人』をそうして流しておいたら、それが終わったらしく、番組表に記されてなかったブルックナーが聞こえてきて大儲けした。オーストリアの聖フローリアンでの記録だ。この聖堂の地下にブルックナーの棺が置かれている。
 求職中だったブルックナーがどこかのオルガニストに応募した時に、課題の演奏を審査した人々が「審査されるのは我々のほうだった」と言ったというエピソードを残し、ブクックナー熱愛者を嬉しがらせ、水戸黄門みたいだねと酒がすすむのである。
 デリケートで美しい4番だった。