悠然として(2013812・暮らしに合うか)

 島にいても、生き方がゴネゴネと流れるテンポは街にいるのと変わらないはずだ。人間関係の濃密さは知れば知るほど深くなり、血縁社会のもつエネルギーが、地下水脈となって思わぬ所から湧いてくるのである。
 山野で雲竹のCDを発見してうれしくなったついでにブルックナーのコーナーをのぞく。知らない指揮者のがないか、島で聞くのに合う演奏がないか。それは無理な注文なんだが、島では好きな音量で鳴らすことができるのだからと変な欲がでる。
 このまったく知らなかった全集のテンポが島に合うような気がするということは、やはり少しは気持がユッタリしているのだろう。どこにも尖った部分がなく包み込むように歌っている演奏で、大ヒットだった。このブルックナーなら島に合う。