2012-11-01から1ヶ月間の記事一覧
文化財に値する古い民家がつぎつぎと解体されていってると番組は訴えていた。僕らがどうすると言ったって、どうしょうもない。見て暗い気分になっただけだった。 南方熊楠は明治期に鎮守の森を伐採しようとした金権猛者に対抗して一人で反対運動を起こした。…
以前この掲示板の設置代がひとつ14万円かかると知って仰天したことがあった。今の値段は知らないが、まさかそんなではあるまい。もう都知事選のポスターが貼られていて、衆院選の告示待ちである。「この日本を立て直さねばならない」と絶叫する声が2週間流れ…
「万全の予習を怠らない人間を天才という」エジソンの言葉だそうな。 ダメだこりゃ。今さらどうあがいたところで天才とやらに近づくことは無理だ。 いやいや近づこうと思ったこともないが。天才を見たこともないのだから、エジソンさんがどう定義しようとも…
「若いころは石の味なんかわからなかったけども」とお婆さんがつぶやく番組があった。その婦人が住んでいるのは石の町と呼ばれる生産地である。石だらけの町で育ったが、逆にそのせいでか石のどこがいいのか、わからなかったのだ。 「石の味がいいね」という…
何とか街金に頼らず資金の目処はついた。だが余裕はない。線路の向こう側にしか物件がなかった。昼間見るとますます村八分ふうだなあ。この条件でも「男になってみろ」ってか、アニキよ・・・。おんぼろぼろろになるかも知れんが、いちかばちかだ。 もとは商…
エルンストが描いたのが有名だが、ほかのシュールリアリストたちも競ってフロッタージュを試したに違いない。ただエルンストだけがそれを美術史に遺る「作品」にできたのだろう。 小学校4年の時に、美術クラブでは教師が何を思ったか、布きれによる「パピエ…
専門高校に入ってバウハウスのデザイン理論を取り入れた訓練を受けた上に、上京したらニューヨーク・スクール流入の全盛期であったから、それを乗せてプレスしてしまい、そのディスクをはずせないで終わりそうな感じがする。恐ろしいことである。脳の美術部…
「にょいん露わに 村ねむる」とうたった加藤イクヤは最近亡くなった。俳人であり、日本テレビの照明部長で、イレブンPMなんかを照らしていた。新宿2丁目のバー「ナジャ」にスーツ姿で現れる珍しい人であったが、部長なのだからしかたがないのだ。そしてい…
全身小説家と言われた井上光晴は「朝もはよからカンテラ下げて」と目の前で怒鳴るように歌っただけ。花田清輝は「終日部屋を真っ暗にして小説雑誌を片っ端から読んでおると」と報告。佐々木基一は「諸君。未来は貸本のごとくに映画を借りる映像時代が来る。…
まぼろしの影を慕いて・・・という歌がある。昔はクラシック調で高らかに、単調に歌いあげられ、最近はたっぷりのお涙調(森進一節)で歌われた。僕にいわせれば両方とも違うように思う。影というものはもっと深遠なのである。よく見ていただきたい。影は寄…
名取洋之助は岩波新書で『写真の読み方』を著し、写真はレイアウトと説明によっていかようにも主張をかえることができると、作例を出して言っている。では例えばこの写真である。貴兄ならどういう説明を付けるだろうか。 近ごろは維新、憲法改正・徴兵、右傾…
「私は正直な政治家です」といえば集票効果があがると、どこの代理人グループが考案したか知らないが、人間として当たり前(僕は嘘つきですが)ではないかと呆れ続ける国民なめ放題の政治はえんえんと続くに違いない。続けたほうが都合のいい一派がいて、続…
「喧嘩はお止め 相撲はお取り」という主に姉が喧嘩ばかりしてる弟たちを諫めるような歌にも聞こえる言葉があった。オフクロなら「喧嘩ばっかりしくさってこのガキども!」と竹サシ振りたて追いかけられる場面である。雨の日には狭い家の中で相撲でもとるしか…
暇ネタです。 散歩中に見かける看板は何によらず検分することにしているが かつては撮影まではしなかった。デジタルの有り難さはそこだ。 ほとんど金をかけないでこうして展示することができるのだ。 古い町には書き残して忍びたい、それを読んで忍びたい人…
3年時まで通っていた小学校は(いま地図でみると標高162mの)山を越えた隣村にあった。子どもの足で1時間以上かかったのではないか。その村に後鳥羽上皇が上陸した。僕の村に比べるとずっと都会で、平地のほとんどない急坂だらけの漁村である。それだけに…
全国レベルの成績が公表されると、テーマが何であっても、ベベタコあたりにいるのが島根県である。それが常態になると慣れっこになって、どうせ貧乏県なんだから、どうせ気の利いた土産ひとつないし、県民は素朴といえば素朴だが愛想が足りんといえば足りん…
ころは昭和。この場所には連日にわたってお立ち台付きの街宣車が居座り、えんえんと「北方4島は日本のものだ」とか、スピーカーを通して訴えていた。訴えている人物はいつもいっしょで、ガラガラ声の小柄な爺さんである。セリフもくり返していたかもしれな…
学校も試験もなんにもない国の住人たちを紹介した水木しげるが大受けしたのを受けて、出身地では何処にでも彼らを置くことにしたらしい。米子駅にも彼らはいたが、レストランとの食い合わせはどうだろうか。感心しないのである。 そもそも墓場生まれのきたろ…
出たばかりの『風の歌を聴け』をアメリカ西海岸への機中で読むつもりで持ち込んだが、読み切れてなかったように思う。内容を覚えてないから。 誰か風をみたか、と問いかける歌があった。君も私も見やしないと続くはずだ。希望が見えるかどうかという歌もあっ…
外国のデザイン学校を視察した日本人が、ちょうど日本のポスターについて講義しているところにでくわした。対象になっていたのは日本では高名なデザイナーとして活躍中であり、尊敬もされていた人の作だったので評価が楽しみ、と思ったのは当然である。 とこ…
テトラ怪人は、大海原から打ち寄せる海波の姿態に浪漫を夢みて海辺を訪れる男女に覚醒を強制する装置として、いまや全国の海辺に侵攻し、埋め尽くしてしまった。岡本太郎は「金平糖のように生きよ」と檄をとばし、取り込まれるな爆発せよと叫んだのであるが…
この景色を前にまず浮かんだのは、ベートーヴェン9番第4楽章で、地の底から怒りを含んでうなるように低い弦の音が湧き上がる上を慰めるような明るい音が舞って交互に織られていく部分だ。 次にはますますひ弱になったと評判をたてられている日本に襲いかかろ…
資格をとるのが趣味という女性がいるものだ。趣味といっても先のことも考えているのだろう。エライと思う。僕は履歴書に「賞罰・資格ともに無し」と書くのが恥ずかしいような、開き直って誇らしいような奇妙な気分でいる。教師の資格は選択すれば、学校時代…
自宅をどんな色に塗ろうと勝手なのである(規制する条例あったっけ?)。 自宅の敷地内に神社っぽいのを造るのも自由か。 しかし何と言ったらいいのか。騒音・匂い・煙・ゴミ山・・・近隣に迷惑な事態を平気で引き起こす人はかつて「江戸仕草」といわれた気…
堀内さんが船頭の絵を描いたことがあった。そばで見ていた僕が「ろ」の位置の間違いに気付き修正を進言すると「エッ?」と意外な方面から声がきたなあ、という表情ですぐに応じたのだが、僕の声に自信の響きを感じ取ったのだろう。 子どものころ舟を勝手に乗…
この光景を見て立ち止らない男とは友達になれない。各人各様のご講評を頂けるかもしれない芸術の秋なのである。コンポジション遊びが好きな人は何処にもいる。彼らが意識してないだけだ。現代美術なんか知らないし、レイアウトだって? 何それ、の鉄工所の玄…
卒業50周年同窓会などという恐ろしげな通知がくる。僕は何周年であっても避けたいほうだが、出席したがる人もいる。自由だ。テレビでそのテの気楽な番組を見ていると酒が入ってか、厚かましくなったのか爺が「いやー、貴女は男連の高嶺の花でしたからなあ」…
川端康成はあるバーで若い作家が「のむのは楽しいですが、あとの支払いが大変です」と嘆くと、「では払わなければよい」と言ったという。あの顔で、あの目でジッとにらんで。真面目な話、払わない先生は今だっているかも知れない。 浦島タロウはホントにいた…
日光猿軍団が一時期大流行だった。中で際立っていたのが「反省しろ!」と強いられた猿が「スンマセン」と頭をかく芸で、いちばん受けていて乱発気味ではなかったか。人々は老若男女を問わず反省するのは嫌いだから「反省しろ!」は叱られ言葉のナンバーワン…
日本はスパイ天国だという説がある。するとスパイにとってこういう光景は盗む価値があるのだろうか。秘密でも何でもないしなあ。政治のほうのは見なくてもわかるし、探偵・浮気も古今東西にわたる何処の国にもあるテーマだし。 しかしただコレだけは打電して…