天月(201384・天への道)

道路から玄関へ繋がる道ができた。天月(てんげつ)を敷き詰めてある。天月とはサザエのフタである。町ではサザエカレーを土産物として作っていて、大量のフタが使いようもないままに工場のそばに山積みになっているのをいただいてきたのである。踏むとキュッ、キュッと鳴る。うぐいす張りの廊下は京都で経験があるが、秀吉もこの天月ロードは想い浮かばなかったであろう。創刊当時の『ポパイ』編集部に訪ねてきたこともある洒落親父Tの案で、敷いてくれたのも彼だ。天からの強烈な日差しを受けて雪(月)のように輝き、まぶしい。ここにしかないのが誇らしい、我が小屋への道である。