面か線か(2013814・桜にかわって)

 ネムノキが群生する道をいくと桜なきあとの桜という風情である。この木は至る所に勝手に生えるらしい。これほど群生するのだから強いに違いない。暮れるとともに葉が閉じる律儀な雑木だ。
 隣に公の空き地がある。年に一度雑草を刈ってくれる。ネムノキの小さいのだけを残してもらった。赤いクイから先の公の場所を借りて私的に楽しもうというのだから管理しなくてはいけない。身の丈を越えた部分は切る気でいる。こちらの寿命によっては根から絶っておく積もりでもある。
 花は面のようであり線のようでもある櫛状で、したがって表情は曖昧で優雅というか弱々しいというか女々しい(いい意味で)というか。ここでは白っぽいのが多い。赤っぽいのが風にゆれると色っぽさも。
 町の植物学者の丹後先生は「植物は自分の手で育ててみないと分かりません」というから写真手前に円柱で囲んだ日光〜日本橋〜ここ、と連れてきたチビ杉?みたいなのと一緒に観ていこう。