たんぽぽ(2013418・ハマチ1本500円・18:35)


 ベストセラーである。1971年初版、1989年51刷というほどの本だ。それが本棚にある。だが読んではいない。装幀のせいで読む気がソガレタとか言うつもりはない。本棚にあっても読んでない本はほかにもあって、いちいち理由なんか考えないが、ともかく未読だ(スミマセン)。だけど『たんぽぽのお酒』という言葉は知っている。ブラッドベリだというのも。購入して知ったのでなく、知っていて購入したのだろう。証拠品を手にいれるように。
 
 ある地区の一軒しか開いてなかったメシ屋で、向こうの方から「たんぽぽの酒」についての講釈が聞こえてきた。よく通る声だ。講釈はじつにていねいで微細で科学的でもある。だけど話はブラッドベリとは関係なく単に「たんぽぽ酒の作り方」についてなのである。そりゃいい、もっと詳しく聞こう。寒風に負けてコロッケをつまんで昼酒吞んだエネルギーを活用して、声の主に迫り、取材した結果が、下の写真なのである。このまま6ヶ月、風邪ひく頃に良薬に変身するはずと科学者みたいな声の主は断言したのだった。いま野に溢れているたんぽぽがホワイトリカー1.8リットルに何を託すのだろう。