1万人(2013825・強きも弱きも)

 地球から他の星に移住する時に限定1万人なら、無作為に選んだどこかの町の1万人をソックリ乗せていかないとうまくいかない、と聞いたことがある。
 僕らは選良優先を想像するが、長い宇宙の旅では「あんな馬鹿はみたことない」とか「酒ばかり飲みくさって」とか「数学については天才らしい」とか・・・要するに強い人も弱い人も清濁も混じって、問題の山が常のようになっているグループでなければ、破滅するというのである。これは保守主義の勧めのようでもあるが、世の中がどう動いているか、あるいはどうなるか誰にもわからない以上は、納得のいくアイデアで、身の程知らずから出た作為への警告かもしれない。

 渋谷で岩合さんの猫写真の展観をやっているらしい。氏にはアフリカ滞在時代の経験を聞いたことがあって、家族で朝食をとっていると窓からキリンがのぞき込むというスケールに驚いた。写真は現場にいなきゃ撮れない。
 ところで島にも猫はいる。先日会った奴は宇宙船に乗って「半端な田舎人のお前なんか乗せてやんない」とにらみつけてきたのであった。