反省せよ(20121104・10度4:30)

 日光猿軍団が一時期大流行だった。中で際立っていたのが「反省しろ!」と強いられた猿が「スンマセン」と頭をかく芸で、いちばん受けていて乱発気味ではなかったか。人々は老若男女を問わず反省するのは嫌いだから「反省しろ!」は叱られ言葉のナンバーワンに違いない。言われた幼児が「ママ、反省って何?」とあっけらかんと聞くほどの年から反省することを強要されてきたのだ。中学にもなると「我日に三省す」とか漢文で習わされて嫌になる。まあしかしご婦人と正論にはかなわないから、従うふりをすることもそこで学ぶのである。

 ビルの壁に設置された鏡は反省のためにあるのではない。ただTVでは「年を取っても日に三度は鏡を見ましょう」なんていう説教屋がいて「また三かよ」とウンザリするのだが、洗脳されているからか不意に鏡に出会うとギクッとするのである。年をとると反省はただちに取り返しがつかない後悔に繋がり暗くなるので、僕の場合はますます鏡は避けたい。反省したくないから散歩しているのである。話の筋は違うが堀内誠一さんは酒場で「掘内さんの描く龍は顔がとても良いのですが、何を参考になさっているのですか?」と聞かれて「うん、鏡みて描くの」と答えて受けたが、そういえば似ている。日光猿軍団は反省し過ぎたのか近ごろは見ないなあ。

↑己の顔を見たりいじったりするのが好きなトシミツは反省し過ぎないようにされたい。街なかには鏡の罠が多いぞ。(個人情報)