恐れいりやした(20121110・11度4:00)

 資格をとるのが趣味という女性がいるものだ。趣味といっても先のことも考えているのだろう。エライと思う。僕は履歴書に「賞罰・資格ともに無し」と書くのが恥ずかしいような、開き直って誇らしいような奇妙な気分でいる。教師の資格は選択すれば、学校時代に実地の授業を経験して、取ることができたはずだが、これ1本で行くんだと燃えているのにそのような揺らぎかたは軟弱であると恥じて見向きもしなかった。
 あるとき運転免許を取ろうと堀内さんと盛り上がったことがある。勤めていたアド・センターという堀内さんも経営に関わっていた会社は東急電鉄と繋がっていて、東急の傘下に教習場があるから有利である、と突然堀内さんが酒席で言い出したのである。何を思ったのであろう。また夢でもみたのかもしれない。しかしその場では「とりましょう、とりましょう」と陽気に乾杯などし、次の日には誰も何も言わないのだった。「だって酒のんだら運転できんもんなあ」誰かがつぶやいて、その話は消えた。選択の余地のない話だからねえ。

 看板が看板になっている店先で表示の文字をいちいち読んでうなって写真撮ったりしてると、店内のおじさんは胡散臭そうに眺めていた。ここまで資格を誇示してる側のほうが胡散臭くないか? 大学設置法といっしょに審議会にかけて認可を検討したほうが良い、とは全然思わない眺めである。参りました。しらふの人に車は任せます。