風の歌(20121112・12度4:15)

 出たばかりの『風の歌を聴け』をアメリカ西海岸への機中で読むつもりで持ち込んだが、読み切れてなかったように思う。内容を覚えてないから。
 誰か風をみたか、と問いかける歌があった。君も私も見やしないと続くはずだ。希望が見えるかどうかという歌もあった。希望のほうは難儀だが、風はみることができる。恐ろしいのも爽やかなのもミジメなのもある。それを伝える言葉の数も膨大だ。地球は丸ごと風の中にあり続けてきたのだから。写真の家からも風をみることができたし聴くこともできたが、幸せとは言いがたい風情が漂う。希望も見えない。だがそれだから写真を撮ったのではない。何度もどこかで見たことある光景なのに、立ち止まってしまったのは事情とは関係なくそれなりの美を感じたからだろう。『美は乱調にあり』も読んだことはないが『風の歌を聴け』と同じく売れそうなタイトルだ。