monku(2013212・0度5:40)

 Have you any monku? という阿保けたセリフが流行った。「何か文句あるんちゅうんか?」というれっきとした日本語だ。「sankanshion?」もフランス語ふうに言うといい。三寒四温なんだが。
 正しい日本語を使えといっても、大勢が使ってしまっているものを修正はできない。BS放送での同時通訳が疲れるのは、あれを聞いて、またこちらで同時通訳せねばならないからだろう。ちかごろでは言葉の乱れのことなどコラムにもならない。言ってる本人の日本語が怪しいからだ。政治家の発言は内容よりも言葉使いの正否が気になって身構えてしまい、変に疲れるようになった。
 
 三蔵法師が砂漠を彷徨っていた時代に鳩摩羅什(くまらじゅう)という大翻訳家がいて、仏典をことごとく中国語に訳した。この翻訳した順に世尊が語ったと信じていた人々は、ある場合にはおかしいと思いつつも考えた末に、新しい想を得たと梅原猛が書いている。つまり正しい順を知らなかったことが新思想を生んだのである。これはまるで僕が数学の試験で、答えだけわかっていて、後から式を考えようとして破算したのと状況は似ているが結果は違う。
 「わかっ?た」
 分からなくともここに電話はせぬほうがいいと思うよ。