場所は決まった(2013325・10度9:15)

 「君は釣りはどうだ?」「大好きです。ただ60年間ご無沙汰してますが」「磯ならこれで充分だろう」糸や用具の使い方の講義つきで竿をいただいた。
 隣家の90歳になった釣りのにわか師匠は45年間この町で活躍し、敬愛された名医である。今は子息が医師を継いで引退、竿なら山ほどあるぞという釣り好きで、自船を操って暖流に乗り込む冒険釣り専門だったが、それからも引退した。
 
 講義といってもこんな無知な若僧?に何から教えようかと困惑しているが、楽しそうでもある。次回の講義はお勧めの磯である。町の人は「何処でも釣れるよ」と言っているが、師匠には独自の見解があるに違いない。
 
 ある地区の海辺に行ったら、僕なりに気に入った磯場を見つけた。何しろこっちは形から入るからね。それが決まらないとやる気が起きないとか、ケシカラン態度である。悟りがひらけそうな座禅用座布団状の岩の向こうはズドンと落ちた海中の崖とみた。ここなら根がかりの心配はない。それはいいが、そろそろ本業のほうの座布団にも戻らないとなあ。