気合い(201310019・1度3:00)

 ◎まず以下を勝手に引用させていただく。

・・・・・・・・・・引用始め

「鼓の家」という番組(NHKハイビジョン ドキュメンタリー)

「亀井令子さん一家は5人全員が鼓を打つ。彼女が高校生の時に記録された『ある人生・親子鼓』の映像を交え、継承される伝統芸能の精神と家族の絆を描く。」

ご主人:能楽大鼓方・人間国宝…亀井忠雄
奥さま:歌舞伎囃子田中流家元…田中佐太郎(亀井令子)
長男:能楽大鼓方…亀井広忠
次男:歌舞伎囃子方…13世 田中傳左衛門亀井孝之)
三男:歌舞伎囃子方…田中傳次郎(亀井雄三)

ご主人は代々お能の大鼓の家系で、奥様は歌舞伎の囃子方の家系(小鼓と太鼓)。
奥様の令子さんは、5人の兄弟(男1人、女4人)のお家に生まれられたそうなのですが、ご長男が研究者の道を選ばれたため、跡継ぎとして厳しく教育され、男ばかりの歌舞伎の世界で生きてこられました。
ただやはり、女性であるということで、黒御簾(舞台下手のオーケストラピットみたいなもの)のなかで演奏されるのみで、舞台には出られなかったとのこと。歌右衛門さんからのご許可はあったのだけれど、ご自分であえて表には出られなかったとのことでした。

・・・・・・・・・・引用終わり

 ◎このドキュメントはNHKならではの傑作であった。伝統芸の一家に3名の男子が誕生し、奥方が引き継いでいる歌舞伎の囃子方を次男三男に継がせ、長男は能楽太鼓方を継がせるという、うまくいき過ぎではないかという話。5名が稽古に明け暮れる様子を記録していくが、すさまじい。まさに命がけである。能楽のほうはじっさいに舞台で絶命した人がいたという難曲に立ち向かう父と子の姿・・・・それはそれとして。
 
 父親の人間国宝亀井忠雄さんは相撲好きらしく、東京の場所ではたびたびテレビ画面に映る。白髪・和服であるから目立つ。相撲の全てが出来レースではあるまい。全てがそうなら稽古なんかバカバカしくてやっていられないはずである。近ごろは子ども時代に相撲をとった人が少ないから我が身に引き寄せて勝負のアヤを味わえる人は少ないのだろうが、亀井さんは鼓と古代からの芸能である相撲の何処かに繋がる線を見い出そうとしているに違いない。姿を見てるとただ楽しんでいるふうには見えないからである。インタビューしてくれる放送人はいないだろうか。

↑それほど気合いをいれなくとも亀井さんの姿が見つかるはず。やっぱりちょっとコワイ親父顔だ。