カズラ島(20131009・2度6:15)

 カズラ島は検索したらすぐに出てくる有名で?小さな無人島である。なぜ有名になったかといえば散骨の島だからだ。国立公園内でも特定地域であるから将来も無人島内に碑すら建てられないので島全体が墓である。
 無宗教だとまわりに言いつつ、墓を守ってくれる子は無く、あるいは子に限らず主義に反してまでだれにも迷惑かけたくない・・・そんな全国の人々が散骨しているのである。散骨は年2回のみであり、船着き場がないのでその日だけ対岸から簡易な場を引っぱっていって上陸し、あらかじめ決められた場所にパウダー状まで砕いた骨をふりかける。場所は10箇所あって10年周期で替わる。10年でパウダーは土にかえるからである。このことで無宗教だと言い続けた、それに徹した葬られ方が完成することになる。拝みたければ四方のどこからでも可能である。宗教は個人の問題だ。しかし墓を守るには負担がかかる。けどだれが負担するのだ。喜んで負担してくれる人ばかりではあるまい。定期的に墓石の周りの草を処置することができない遺族のためには除草剤をまき続けるというのも何か痛々しい。そのような負担の意味・内容は何なのだ。
 世尊はいまのような墓にまつわる形式を認めただろうか。紀元前500年に否定していなかったか。
 
 イギリスの絵本作家ビアトリクス・ポターは「私の墓はつくるにしても、だれにも知られない場所にしてください」と言いのこした。カズラ島と直接的には意味が異なるのであるが、そのことで彼女がその活動と全財産をかけて守った湖北地方全体がポターの墓になったのである。みごとではないか。
 春にはカズラ島にも花が咲くだろう。