付き合いっていうものがある(21021011・16度3:00)

高い脚立に乗って庭木の散髪をしていたのは80もとっくに過ぎたかという爺さん。
海も山も大工仕事も竹細工も人の3倍はこなす万能の現役選手である。
たかが1メートルでも足がふらつく恐怖症の僕からみると天狗だ。
「こいつを小さい時に山から移してきたら元気でなあ。
年に何回かは日をさえぎるからこうしてやらんといけん。太くなったぞ。
もう年じゃもの、いつまで面倒みられるか。
それでも、根ごと欲しいと人に言われると、ははは、欲がでての、ついがんばるだがや」
20人そこらの村人しかいない地区の神社に近い中心部である。
「銀座4丁目だよねえ、和光の時計台ってとこかな」
「わしゃ知らんが、そげかの。まあ付き合いってもんで」
この日も良い天気だった。