アトリエホール(20121019・11度5:45)

ビニールハウスが珍しいのではない。かといって直接入った経験は少ない。
ここは今は自給ぶんの野菜だけを作っているらしい。
見た瞬間に所有欲が湧いてきた。先日IMFの会議場にもなった、設計料がバカ高かったらしい国際フォーラムの全面ガラスから差し込む光と違うのだ。ガラスからの光は重いと思う。物理的にはサトシトシミツ先生に解説をお願いするとして、僕がガラスと鉄を信用していないことにも原因があるだろう。恐ろしいのだ。どうしても。グロピウス先生には悪いが、有楽町はドイツではない。大地震時に絶対いたくない建築なのである。悲惨なイメージしか出てこない。フォーラムの外国人設計者はせしめた都民税からの設計料で、何処かの島をまるごと買って優雅に暮らしているという虚実は定かでない話を聞くと、悲愴感がいっそう高まる。

比べるとどうだ。ビニールの空間。僕はまずオペラの音が浮かんだが、音は天空に響き広がり下にいると吸い込まれていくような至福感に包まれるに違いないのだ。それがビニール独特の乳白光であり、軽く柔な素材は命とひきかえなくとも良いという安心感を得られて優しい。アトリエはこれがいい。温かい時期はこれに限る、と思ったのである。日の出とともに起き、日の入りとともに眠る。それでいい。部屋の中で作る野菜は家族でもあるだろうし・・・。
この光だから作物にとっても優しいはずで、生育を促す理由になってないかと素人は思う。
現場で作業している人から、こんな観点の話はまったく聞かないが、みなさんは忙しいからなあ。