コブナ釣りし(200121015・32度10:30)

 『ふるさと』を聞く機会がふえた。僕はどちらかといえば二重唱の『おぼろ月夜』派だけど。そんなことはおいて、たしかにかつてはウサギがいた。文字通り歩いて遠足に行き、追いかけた。小川にはコブナもいたろうがウナギを釣った。しかし歌には向かないなあ。♪ウナギ釣りし かの川じゃ、おおごとだ。釣った本人にもおおごとだった。ウナギはあがいて両腕にまとわりつく。ギャーッと悲鳴をあげる。調理の仕方はかつて都会でモダンガールはっていたオフクロも良くしらなかった。干からびる運命である。
 
 小川の岸は石垣であった。石垣のすき間にウナギのほかにも鳥の巣があったり、小さな虫みたいのがウジャウジャいる。アオダイショウも住んでいる。裸足で行くぬるぬるした川底にはドジョウがいた。農地開拓進行法とかあるのだろうか、石垣の管理もやっかいだったのか、バラまき施政か、ぜんぜん知らないが石垣は消えた。
 そして難儀?が解決した途端に田んぼも人も消えた。なんのための小川なんだろう。これ以上過疎になるな、という思いとセメントの岸が早く朽ちてくれないかというケシカラヌ思いが交錯する。ウナギ釣りし川にして帰せ。