2012516・・・ニューヨーク(新谷記)

「ユーモラスな、気くばりの細やかな、憧れに満ちた精神の所有者」を
教養のある人と堀内さんは規定しているが、ご本人が座右の銘にしていたようにも思える言葉だ。
このころ堀内さんはニューヨークには行ったことがなく「アンアン」の取材で初めて行く。
1970年の5月のことである。
「ニューヨークのビジネスマンはコーヒーと簡単なパンみたいのを
立ち食いするようなスタイルでつめ込みせっせと働くみたいだよ」
と幾分か呆れた調子の土産話であった。まるで感心しなかったようである。

「フランクというはしけに渡されて彼(注:フランク)のニューヨークに入るのである」
と書いたが、フランクを見た人はフランクの目になってしまうようである。
2011年にお茶の水で催されたフランク展で稲越功一さんの講演があって
「フランクは根っからの非常駐者(新谷の意訳)で服も靴も放っておくと
何処へ行くときでもずっとそれだった」と語った。

↑なんとも言えない表情のフランク。